歴史と理念
世界中の国家機関が選んだ護身術で、今日も多くの実戦、事件の現場で活用され続けているクラヴマガ。その誕生は1930年代後半、チェコスロバキア ブラティスラバにて、イミ・リヒテンフェルドという若者の手によってもたらされました。
イミはボクシング、レスリング、体操など様々な競技においてヨーロッパチャンピオンのタイトルを手にした、生まれながらのアスリートでした。また、イミの父親は警察官でしたが、彼も他の警察官に戦闘・護身技術を指導するほどの、すぐれた能力の持ち主でした。イミはそんな父から直接、実戦に即したストリートファイトを学び、当時紛争状態にあった東ヨーロッパのなかで生き延び、同時に数々の仲間の命を救ってきたのでした。
第二次世界大戦開始前、イミは東ヨーロッパから逃れ、中東を居住の地として選択。その後イスラエル建国のため、数々の戦闘に参加することになりました。イスラエル独立後間もなく、イミは政府より、実戦で効率的に効果を発揮する、イスラエル軍のための戦闘術を開発するよう任命されました。
一定のルールのもと競技として成立している格闘技と、実戦の場で生き残るために必要な戦闘術との違いを、自身の経験を通じて熟知していたイミは、イスラエル軍、国家警察、国家諜報部のために実戦に特化した、まさに生き残るための戦闘術『クラヴマガ』を開発したのです。
そしてその驚異的な即効性と実用性の高さから、クラヴマガは国家機関を超え、瞬く間に一般市民のもとでも広がりました。その後、ヨーロッパ諸国での普及が広がるとともに、各国軍隊でも正式に採用されました。1981年にはダレン・レバイン (現クラヴマガ・ワールドワイドCEO 兼USチーフインストラクター) により米国に上陸。米国政府機関でも正式採用され、また民間向けのスクールも急速に広がりをみせました。
わが国では、クラヴマガを普及すべく2004年に国内初のクラヴマガ・ジャパン株式会社が設立され、民間人、政府機関、民間の警備会社など多くの指導を積み重ね、今日に至っています。
万が一のときにでもすばやく、また無駄なく、自分の身を守り、反撃できるよう、心身ともに育み、鍛えていくこと。
「自己の存在価値」を認識すること。
人種や宗教を問わず、すべての人々の心を結び合い、世界中から暴力を消し去るように精進すること。
イミ・リヒテンフェルド
クラヴマガ創立者
1910-1998